焼肉のすすめ

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焼肉は脂っこい、というイメージをお持ちの方もいらっしゃると思います。でも、いいお肉は違います。口の中でサラサラと溶けていくらでも食べられます。ここでは皆さんの持っているお肉の概念を変えるマメ知識をご紹介します。

脂質

脂質は、食肉成分中で含有の変動幅が大きく、肉の種類、部位、年齢によって異なります。動物体内では、皮下、腎周囲、筋肉間などの脂肪組織に存在する「蓄積脂肪」と筋肉・臓器内にある「組織脂肪」に分類されます。「霜降り」と呼ばれる肉は、筋肉内で脂質が霜のような白い斑点状に、細かく多量に分散した肉を指します。脂質は食肉のおいしさや肉質の軟らかさに関連すると同時に、高エネルギー源として、また健康と深く関わる成分として注目されています。

たんぱく質

すべての生物は細胞が集まってできています。その細胞を構成する成分のうち、全体の約70%を占める水を除くと、最も多いのがたんぱく質です。体の中のたんぱく質は分解と合成を繰り返し、新しい細胞が古い細胞と入れ替わります。この入れ替わりの過程で、ある一定量の目減りは避けられません。大人の場合、1日に200~300gのたんぱく質が体の中で分解されていて、そのうちの約70gが目減りしていると考えられています。この目減り分の約70gが1日の必要量ということになり、食物として摂らなければならない量なのです。
たんぱく質の評価はそのたんぱく質を構成する必須アミノ酸の量とそれぞれのバランスで決まります。ある食品中のたんぱく質を作っている必須アミノ酸の含有量について、理想的なアミノ酸量を100としたときの数値を出し、含有比率の最も低いアミノ酸をそのたんぱく質の第一制限アミノ酸と言います。そして、その値がたんぱく質の栄養価、すなわちアミノ酸価ということになります。牛肉、豚肉のアミノ酸価が100であるのに対し、大豆は86、精白米は65になります。食肉のたんぱく質は、アミノ酸価が100であるばかりでなく、他の食品で不足しがちなリジン、メチオニンを多く含んでいて、他の食品を補うものとしても優れたものです。食肉は良質なたんぱく資源と言えます。

食肉とコレステロール

食肉にはコレステロールが多く含まれていると思っている人が多いようですが、食肉はコレステロールの多い食品ではありません。日本人の食肉消費量はアメリカ人の3分の1にすぎません。食肉、とりわけ脂質の摂りすぎが心臓疾患などの大きなリスクファクターとして問題にされ、アメリカや欧米では食生活の見直しが進められ食肉の消費量も減少してきましたが、日本の食生活はたんぱく質、脂質、炭水化物の比率、動物性脂質、植物性脂質の摂取比率が理想的であるとされているのです。